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2022年04月01日
バイネックス、バイオマス合成ガス及びバイオメタノール生産体制を大幅拡充

バイネックス株式会社(本社:東京都港区赤坂、代表取締役:青木 宏道、以下バイネックス)は、2022年4月長崎県長崎市に大規模なバイオマス燃焼・合成ガス生産プラントを竣工し、試験運転等を経て6月を目途に既存のバイオメタノール生産プラントと共に稼働を開始し、バイオメタノールサンプルの本格的な出荷体制を構築します。
当該プラントは、株式会社中央環境(長崎県長崎市)が2011年から運用していましたが、昨年バイネックスが同社から譲り受け、最先端技術を投入して新設、リニューアルしたもので、今後の運用には同社の支援を受けることになっています。
バイネックスは、昨年5月に創立し主要株主の1社であるバイオマスエナジー株式会社から長崎県諫早市にある小型のバイオマス燃焼・バイオメタノール生産プラントの譲渡を受けました。当該プラントで製造したバイオメタノールは本田技研工業株式会社に提供され、2021年度F1選手権に参戦したレッドブル・ホンダの車両燃料の原料として活用されています。

今回長崎市で竣工するバイオマス燃焼・合成ガス生産プラントは、諫早プラントの10倍規模のバイオマス合成ガスを生産可能です。これをすべてバイオメタノール生産に利用した場合、年間約350キロリットルのバイオメタノールを生産出来るほか、SAF(Sustainable Aviation Fuel)※1やバイオディーゼルやエタノール等のABF(Advanced Bio-Fuel)※2生産のためのバイオマス合成ガスの提供が可能になります。
バイネックスは諫早プラントで培った技術と経験を基にした長崎プラントの竣工に伴い、大規模なバイオマス合成ガスとバイオメタノールの生産体制を整え、今後、石油会社、石油化学会社、大手自動車メーカー、産業ガス企業、商社等向けのバイオメタノール供給のほか、SAFやABFの共同開発に繋いでいく予定です。

今回の発表について、バイネックス 代表取締役の青木宏道は次のように述べています。
「当社の主要株主の1社であるバイオマスエナジー社が長年開発し続けたバイオマス燃焼とバイオマス合成ガス生産技術を結集した長崎プラントが完成し、バイオメタノールのサンプル入手をお待たせしていた多くの企業向けに出荷を開始出来ることを大変嬉しく思っています。これまで諫早プラントが生産したバイオマス合成ガスを原料としたバイオメタノールやバイオディーゼルを製造した実績はありますが、これら以外にもSAFやABFの合成が可能であり、国内外の商社やエネルギー会社など多くの会社と協議を進めています。長崎プラントの稼働はこの動きを大きく前進させ、当社が東京大学農学部と共に開発するガス化に適したソルガム育種開発※3と相俟ってカーボンネガティブ実現に向けて大きな一歩をまた踏み出すことになると期待しています」

バイネックスはこれらの活動を通して、地球の二酸化炭素削減に真に取り組んでいきます。

 

バイネックス株式会社
バイネックスは食糧問題、環境問題、エネルギー問題に真に取り組む、バイオ燃料のバリューチェーン構築を目指す企業です。生育時に大量の二酸化炭素を吸収固定化する植物であるソルガムの育種開発・栽培、ソルガム子実の食料供給、葉や茎といった残渣を原料とするバイオメタノールの製造・供給に加え、バイオメタノールを水素キャリアとする燃料電池や半導体製造、内燃機関向け燃料、石油化学向け原料代替等の用途開発を行っています。

※1 SAF(Sustainable Aviation Fuel):
持続可能な航空燃料。ジェット機で使用される高度な航空バイオ燃料種別の名称。

※2 ABF(Advanced Bio-Fuel):
先進型バイオ燃料。

※3 東京大学大学院農学生命科学研究科とペルーでのバイオ原料ソルガムの共同研究を2021年10月に締結し、既に試験栽培に着手している。

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