株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大、以下、スリーダムアライアンス)は、画期的なセパレータ技術「X-SEPA」のサンプル出荷を開始しました。2022年12月に発表されたX-SEPAは、独自の構造により既存電池の性能向上と次世代電池の開発スピード向上に貢献し、より持続可能な電動化社会への移行を促進します。
当社は8年にわたるセパレータの研究開発を経て昨年量産体制が整ったことを発表しました。そして今回、日本を含むアジア・欧米諸国のバッテリメーカーに対してX-SEPAのサンプル提供を開始しました。すでに10数社から提供の要望があり、順次出荷していくとともに、年内までには増産に向けた体制を整えていきます。
X-SEPAは、耐熱性の高いポリイミドに、三次元規則配列に均一な空孔を形成した膜を多層に重ね合わせた構造を有しており、この独自の構造により、各層の特性を細かく制御しながら、用途や求められる電池性能に応じて全体を最適化することが可能です。これにより、X-SEPAは従来のセパレータの役割を超えて、電池に新たな付加価値を提供することができます。その構造と材料は、長寿命化、高信頼性、ハイレート性能に貢献できるので、安全性の確保や、高温地域での電気自動車やエアモビリティーなどの今後成長が期待される用途への適切な対応など、電池業界が抱える課題の解決につながります。また、規則正しい構造のため、柔軟な設計や最適化、高精度のモデリングによるシミュレーションが可能となり、電池開発を飛躍的に加速させる可能性を秘めています。
スリーダムアライアンスのシンガポール子会社noco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は、アライアンスパートナーによって製造されたX-SEPA搭載の長寿命バッテリを買い取り、一次利用と二次利用に亘るサービスに活用する予定です。必要なバッテリを従来の約1/4に減らし効率的に活用することで、環境問題への対応を目指します。noco-nocoは、製品の長寿命化に貢献したパートナーにバッテリ関連情報と利益を継続的に共有する「Data & Profit Sharing」という革新的なビジネスモデルを通じて、大量生産・大量消費の経済システムからの転換を促進していく予定です。
スリーダムアライアンスおよびnoco-nocoは、セパレータの役割を根本的に考え直し、バッテリを社会インフラとして再定義することで、現在の電池産業の欠点を解決し、危機的な環境問題を緩和するためのバッテリの力を最大限に引き出すことに取り組んでいきます。