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2023年04月18日
スリーダムアライアンス、X-SEPA™搭載のリチウムイオン電池が 高温環境下で通常環境使用以上の長寿命を実現
60℃の条件下で約9,000サイクルまで長寿命化するバッテリで高温地域での電動化を促進

 

株式会社スリーダムアライアンス(以下、スリーダムアライアンス)は、当社独自のセパレータ「X-SEPA™」と耐高温電解液を用いることで、高温環境下での使用に適したリチウムイオン電池を開発しました。60℃の高温環境下における充放電サイクル寿命試験では、通常の使用環境下の電池寿命と比較しても長寿命化が確認され、理論上、約9,000サイクルまで寿命が伸びると想定されます。

X-SEPA™は当社が8年間の研究を経て開発したセパレータです。同セパレータは、耐熱性の高いポリイミドを基材に三次元に均一配列された空孔を形成することで、電池の「長寿命性」に寄与することに加え、信頼性および耐熱性の向上やハイレートの充放電を実現した「3DOMセパレータ」をベースに、更なる耐久性の向上を図るため多層構造にしたものです。量産体制を整え、2023年2月より電池メーカーにサンプル提供を開始しました。

世界的に脱炭素化が進む中、高温地域を含む発展途上国では、電動モビリティのニーズが高まっています。しかし、高温環境下では、汎用の電解液が劣化する傾向にあり、電池の寿命が大幅に短くなるという問題があります。寿命が短いことで、製造、廃棄、コストの増加の一因となり、電動化普及に対する主要な阻害要因となっています。

スリーダムアライアンスは、高温地域の市場ニーズに応え、X-SEPA™と耐高温電解液の併用により、高温環境下での長寿命化を実現したリチウムイオン電池を開発しました。耐高温電解液は、高沸点かつ高粘度という特徴を持ち高温環境下での電解液の劣化が抑制されるという利点がある一方で、粘度が高いため汎用のポリプロピレン製セパレータに染み込ませにくく、リチウムイオン電池への使用は難しいとされていました。これに対し、X-SEPA™は多孔質構造であることとポリイミド素材がもつ有機電解液に対する高い濡れ性により、従来のポリオレフィン系セパレータでは不可能であった耐高温電解液を使用することが可能となります。

スリーダムアライアンスは、60℃の条件下でX-SEPA™と耐高温電解液を適用した電池と、汎用のセパレータと電解液を適用した電池の充放電サイクル寿命試験を行い、高温環境下での寿命と耐久性を比較評価しました。現在実施中の試験の中間結果では、X-SEPA™と耐高温電解液を採用した電池では、容量保持率が大幅に向上していることが確認されており、高温環境下でも通常の使用温度環境下のものと比べより長い寿命を実現していることが確認されました(図1)。

また、X-SEPA™と耐高温電解液を適用した電池は、エンドオブライフを容量維持率60%と設定した場合、当社調べでは充放電サイクル寿命が理論値として約9,000サイクルまで伸びることが推定されました(図2)。今後も継続的に試験で検証し、その結果を発表していく予定です。

脱炭素化ソリューションを提供するシンガポール子会社noco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は、X-SEPA™搭載電池をサービスとして提供する予定です。現在、今月発表した株式会社アセンブルポイントとのEVミニバスに関する提携をはじめ、東南アジアでの複数のプロジェクトを通じて、スリーダムアライアンスの電池技術をモビリティ用途に導入することを進めています。X-SEPA™を活用することで、高温地域でより高い性能とサステイナビリティを実現できるバッテリへのニーズに応え、東南アジアなどのターゲット市場で電動化を加速させることを目指します。

 

株式会社スリーダムアライアンスについて
2014年に設立された株式会社スリーダムアライアンスは、脱炭素化と生態系保全を促進する最先端技術やビジネスモデルの研究開発を通じて、環境問題の真の解決に取り組む日本のベンチャー企業です。

noco-noco Pte. Ltd.について
noco-noco Pte. Ltd.は、カーボンニュートラルな経済への世界的な転換を加速させる脱炭素ソリューションプロバイダーです。独自の多層セパレータX-SEPA™や、持続可能なモビリティサービス、革新的なエネルギー管理プラットフォームの提供を通じて、noco-nocoはクリーンで安価、かつ持続可能なエネルギーソリューションへのニーズに対応します。

※ noco-noco に関する重要事項情報および将来に関する記述については英語版プレスリリースをご確認ください。

2023年04月11日
スリーダムアライアンスとnoco-noco、アセンブルポイントとフィリピンにおける 脱炭素ソリューションの提供に向けた業務提携に関する基本合意書を締結

株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大、以下、スリーダムアライアンス)及び脱炭素ソリューションを提供する子会社noco-noco Pte. Ltd.(本社:シンガポール、CEO:松村 正大、以下、noco-noco)は、EVミニバス『Smart BUS』を製造販売するEVメーカー株式会社アセンブルポイント(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:宮下 崇、以下、アセンブルポイント)と、フィリピン国内の運輸部門における脱炭素化に向けた業務提携に関する基本合意書を締結しました。

人為的な温室効果ガスの排出は、世界中で気候変動を増幅させていますが、特にフィリピン国内では、ガソリン車またはディーゼル車の排気ガスによる大気汚染が深刻な環境問題となっています。本提携は、フィリピンでのクリーンな代替交通手段を提供することを目的としており、アセンブルポイントのEV開発技術にスリーダムアライアンスの独自のセパレータ技術「X-SEPA™」を搭載したバッテリを組み合わせた新型EVを共同開発し、今後、まずは15,000台の製造を目指します。スリーダムアライアンスとnoco-nocoは基本合意書に基づき、アセンブルポイントと車両の共同開発、バッテリの共同開発・製造に加え、バッテリ関連サービスの提供、カーボンニュートラルリースの提供などに取り組んでいきます。

本提携は、noco-nocoのフリート脱炭素化のためのビジネスモデルを通じて、EVミニバス『Smart BUS』をフリート事業者にリースで提供すると共にバッテリをサブスクリプションサービスで提供することで、フリート事業者によるその資産への初期投資が必要なくなります。車両製造時の二酸化炭素(CO2)排出をカーボンクレジットでオフセットし、バッテリ充電に再生可能エネルギーを利用することで、EVミニバス『Smart BUS』のカーボンニュートラル化を図る予定です。運輸業界において脱炭素化が求められる中、車両やバッテリの調達・所有に伴う金銭的・実務的な課題を軽減し、フリート事業者に対し脱炭素化を実現可能なものにすることを目指します。

このサービスは、バッテリの寿命、信頼性、耐熱性を向上させるように設計されたX-SEPA™を活用することで、よりサステイナブルで、暑い地域の環境に適した車載用バッテリを提供します。また、そのバッテリを最大限に活用すべく、循環型バッテリサービスの一環として、EVミニバス『Smart BUS』での一次利用後の二次利用も検討する予定です。

スリーダムアライアンスの代表取締役社長兼noco-nocoのCEO、松村正大は以下のように述べています。
「両社は、フィリピン国内における輸送部門の脱炭素化に向けた改革をしたいという共通の思いから今回の締結に至りました。当社は脱炭素化の持続可能性、価格や利便性を向上させるべく、独自のX-SEPA™とビジネスモデルを開発してきました。今回フィリピンで導入できることをうれしく思っています。」

スリーダムアライアンスおよびnoco-nocoは、アセンブルポイントと共に、最先端のクリーンテクノロジーを、その導入障壁を低くする循環型モデルで提供することにより、フィリピンの電動化を加速させ、CO2ゼロの未来を推進することを目指していきます。

 

株式会社スリーダムアライアンスについて

2014年に設立された株式会社スリーダムアライアンスは、脱炭素と生態系保全を促進する最先端技術やビジネスモデルの研究開発を通じて、環境問題の真の解決に取り組む日本のベンチャー企業です。

 

noco-noco Pte. Ltd.について

noco-noco Pte. Ltd.は、カーボンニュートラルな経済への世界的な転換を加速させる脱炭素ソリューションプロバイダーです。独自の多層セパレータX-SEPA™や、持続可能なモビリティサービス、革新的なエネルギー管理プラットフォームの提供を通じて、noco-nocoはクリーンで安価、かつ持続可能なエネルギーソリューションへのニーズに対応します。

 

株式会社アセンブルポイントについて

株式会社アセンブルポイントは、日本ブランドとして、EVミニバス・ミニバンをフィリピンにて製造・販売を行うEVメーカーです。2018年にプロトタイプが完成し、2023年現在は公共バス、物流会社等へ納車を行なっており、既に公道を走行しているプロダクトを保有しております。EV化が急速に進むASEAN地域を軸に事業展開を進めてまいります。

 

※ noco-noco に関する重要事項情報および将来に関する記述については英語版プレスリリースをご確認ください。

2023年04月06日
当社独自のセパレータ「X-SEPA™」搭載の リチウムイオン電池、次世代リチウム金属二次電池の充放電サイクル寿命に関する 研究結果を報告

 

株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大)は、3月27日~29日に開催された電気化学会第90回大会において、当社独自のセパレータである「X-SEPA™」を搭載したリチウムイオン電池および次世代リチウム金属二次電池における充放電サイクル寿命に関して、2つの研究結果を発表しました。

「X-SEPA™」は当社が8年間の研究を経て開発したセパレータです。耐熱性の高いポリイミドに三次元規則配列に均一に空孔を形成することで、電池の「長寿命性」に寄与することに加え、信頼性および耐熱性の向上やハイレート充放電を実現した「3DOMセパレータ」を多層構造にしたものです。量産体制を整え、2023年2月より電池メーカーにX-SEPA™のサンプル提供を開始しました。

様々な分野で電動化が進む中、必要とされる電池の数は急増しています。化石燃料の代替が求められる一方で、電池は、製造時の二酸化炭素排出や資源の採掘、不十分な廃棄方法による土壌や水の汚染など、新たな環境問題を引き起こす可能性を秘めています。これらの環境問題を解決するためには、電池の寿命を延ばすことが求められています。

さらに、電池の大容量化に向け、現在普及しているリチウムイオン二次電池の性能を上回る二次電池が求められており、リチウム金属を負極に用いたリチウム金属二次電池は、原理的に高いエネルギー密度を備え次世代電池として注目されています。しかし、充放電時などで不均一なリチウムデンドライトの発生による電池寿命や信頼性の低下が実用化に対する大きな課題となっています。

今回の研究発表は、X-SEPA™を適用したリチウムイオン電池およびリチウム金属二次電池の充放電サイクル寿命についての科学的裏付けを更に強化するものでした。

 

①X-SEPA™とポリオレフィン系汎用セパレータ(以下、汎用セパレータ)を搭載したリチウムイオン電池の特性に関する比較評価
【結果概要】
X-SEPA™はその構造の特性上、高い空孔均一性と透過性を有していることから、リチウムイオン電池用セパレータとして用いた場合に、円滑なリチウムイオン輸送が必要となる高電流密度での使用下で、特に優れた性能を発揮することが期待されます。そこで本研究では、X-SEPA™と汎用セパレータを用いて、電池の比較効果検証を実施しました。

図1で示されているように、30サイクル~200サイクルの領域においてX-SEPA™を搭載した電池の容量維持率の優位性が確認されました。図中の矢印で示すポイントは、500サイクル後に0. 2Cで充放電した際の回復容量を示しています。異なるセパレータ間で回復容量に差が見られていることから、上記の維持率低下の差は抵抗上昇起因ではなく、可動リチウムイオン減少量の差であることが示唆されます。このことからX-SEPA™は汎用セパレータに比べ、リチウム電析の発生が低減されていることが推測されます。今回の結果から、高空孔ポリイミドセパレータはポリオレフィン系セパレータに比べ急速充電に適したセパレータであり、充放電サイクル寿命性能を伸ばす効果が確認されました。

②X-SEPA™によるリチウム金属二次電池の寿命・信頼性向上および大型二次電池への取り組み

【結果概要】
本研究では、高空孔ポリイミドセパレータのリチウム金属二次電池への導入検討として充放電サイクル特性などの電池特性への影響を調査しました。図 2に、X-SEPA™を用いたリチウム金属二次電池の充放電サイクル特性を示します。200サイクル後でも容量維持率が95%を示しており、充放電可逆性に優れた寿命性能を示しました。

 

今回の「X-SEPA™」適用電池の長寿命性に関する研究結果について、当社のCTO(最高技術責任者)であり、3DOMセパレータの開発者でもある金村 聖志 教授は次のように述べています。「3DOMセパレータを多層一体構造としたX-SEPA™の今回の研究成果は、近年、脱炭素化社会に対して強く求められるようになった長寿命の電池特性を明示したことになり、地球環境の改善に大きく貢献できることを嬉しく思います」

脱炭素化ソリューションを提供するシンガポール子会社noco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は、X-SEPA™を搭載したバッテリの優位性を生かしたサービスを提供する予定です。バッテリの「長寿命化」は、二次利用などの循環利用を可能にし、電池の必要量を削減することで製造や廃棄から生まれる環境問題解決に貢献します。また、一回当たりの充放電コストを削減することも可能になり、電動化に対するユーザの金銭的な障害の解決にも貢献します。今後はX-SEPA™をリチウムイオン電池だけでなく、リチウム金属二次電池などにも適用することで、高いエネルギー密度を必要とする次世代用途に相応しいバッテリの提供も目指します。X-SEPA™搭載バッテリをサービスとして提供し社会インフラとして再定義することで、危機的な環境問題を緩和するためのバッテリの力を最大限に引き出すことに取り組んでいきます。

※ noco-noco に関する重要事項情報および将来に関する記述については英語版プレスリリースをご確認ください。

2023年03月23日
スリーダムアライアンス、「X-SEPA™」搭載電池の釘刺し短絡耐性試験結果を報告

株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大)は、当社が開発した3次元に規則的に空孔を配列した3DOMセパレータを、さらに多層構造にすることで耐久性などを上げた画期的なセパレータ「X-SEPA™」を搭載した電池の釘刺し短絡耐性試験を実施し、汎用セパレータを用いた場合に比べ良好な結果を得ることができました。

釘刺し短絡耐性試験は、充電したリチウムイオン電池に金属製の釘を所定の速度で刺し、疑似的に内部短絡を起こして異常時における信頼性を評価する方法の一つです。内部短絡は外部衝突や製造時の不良、充放電に伴う金属析出といった要因から、電池の発火・破裂事故の主な原因となります。

今回、当社はX-SEPA™の電池信頼性への寄与を評価するため、セパレータ以外は同一設計仕様の2つの3.3Ahリチウムイオン電池を用いて釘刺し短絡耐性試験を実施しました。汎用ポリプロピレンセパレータを搭載した電池では、煙が発生しEUCAR(欧州自動車研究開発会議)のハザードレベル4に該当する熱暴走する結果になりましたが、X-SEPA™を搭載した電池では、煙や炎が発生せずEUCARのハザードレベル2に該当する熱暴走しない結果になりました。

試験結果に対するX-SEPA™の影響は、セパレータそのものへの突刺し試験と、釘を介した内部短絡により局所発熱に相当する条件を再現するために、セパレータへ450℃に加熱した半田ごてを刺す局所加熱試験で評価しました。この結果、X-SEPA™が持つ3次元空孔構造と耐熱性素材の特性により、汎用製品に較べX-SEPA™には開孔が全く認められず、これは釘刺し短絡耐性試験の良好な結果を裏打ちするものであります。

当社は、X-SEPA™の量産体制を整え、2023年2月より電池メーカーにX-SEPA™のサンプル提供を開始しました。また、脱炭素化ソリューションを提供するシンガポール子会社noco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は、長寿命性、信頼性、耐熱性、高出力特性などの電池特性を持つX-SEPA™搭載電池を、サービスとして提供する予定です。noco-nocoはモビリティ事業者に向けて、X-SEPA™の活用により、EVの安全性への懸念に対応し電動化に対する障害を軽減する形で、運輸業界の脱炭素化を推進することを目指します。

2023年02月24日
全社員の給与ベースアップを実施、QOL向上を支援

株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大)は、2023年2月より全社員を対象に5%の給与ベースアップを実施いたします。

当社は「すべての価値創造の根本は社員」という考えのもと、これまでストックオプションの付与などを含め人的資本への投資を継続的に行ってきました。今回、昨今の円安の影響などによる生活物資の価格急騰を受け、社員のQOLの維持・向上を行うには更なる社員への投資が必要との判断に至り、実施を決定しました。

当社は引き続き魅力ある企業づくりに取り組み、採用市場における競争力を引き上げ優秀な人材確保を図っていくことで、真に環境問題を解決するための新たな価値を創造していきます。

2023年02月08日
スリーダムアライアンス 革新的なセパレータ技術「X-SEPA」 サンプル出荷を開始

株式会社スリーダムアライアンス(本社:東京都港区、代表取締役社長:松村 正大、以下、スリーダムアライアンス)は、画期的なセパレータ技術「X-SEPA」のサンプル出荷を開始しました。2022年12月に発表されたX-SEPAは、独自の構造により既存電池の性能向上と次世代電池の開発スピード向上に貢献し、より持続可能な電動化社会への移行を促進します。

当社は8年にわたるセパレータの研究開発を経て昨年量産体制が整ったことを発表しました。そして今回、日本を含むアジア・欧米諸国のバッテリメーカーに対してX-SEPAのサンプル提供を開始しました。すでに10数社から提供の要望があり、順次出荷していくとともに、年内までには増産に向けた体制を整えていきます。

X-SEPAは、耐熱性の高いポリイミドに、三次元規則配列に均一な空孔を形成した膜を多層に重ね合わせた構造を有しており、この独自の構造により、各層の特性を細かく制御しながら、用途や求められる電池性能に応じて全体を最適化することが可能です。これにより、X-SEPAは従来のセパレータの役割を超えて、電池に新たな付加価値を提供することができます。その構造と材料は、長寿命化、高信頼性、ハイレート性能に貢献できるので、安全性の確保や、高温地域での電気自動車やエアモビリティーなどの今後成長が期待される用途への適切な対応など、電池業界が抱える課題の解決につながります。また、規則正しい構造のため、柔軟な設計や最適化、高精度のモデリングによるシミュレーションが可能となり、電池開発を飛躍的に加速させる可能性を秘めています。

スリーダムアライアンスのシンガポール子会社noco-noco Pte. Ltd.(以下、noco-noco)は、アライアンスパートナーによって製造されたX-SEPA搭載の長寿命バッテリを買い取り、一次利用と二次利用に亘るサービスに活用する予定です。必要なバッテリを従来の約1/4に減らし効率的に活用することで、環境問題への対応を目指します。noco-nocoは、製品の長寿命化に貢献したパートナーにバッテリ関連情報と利益を継続的に共有する「Data & Profit Sharing」という革新的なビジネスモデルを通じて、大量生産・大量消費の経済システムからの転換を促進していく予定です。

スリーダムアライアンスおよびnoco-nocoは、セパレータの役割を根本的に考え直し、バッテリを社会インフラとして再定義することで、現在の電池産業の欠点を解決し、危機的な環境問題を緩和するためのバッテリの力を最大限に引き出すことに取り組んでいきます。

2023年01月10日
noco-noco、CES2023の出展成功を報告
脱炭素ソリューション企業として、家庭のエネルギー管理を効率化するスマートバッテリシステムを出展

シンガポール、2023年1月10日 – noco-noco Pte. Ltd. (本社:シンガポール、 CEO:松村正大、以下noco-noco) は、2023年1月8日まで開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)への初出展を好評のうちに終了したことを発表します。毎年ラスベガスで開催されるCESは、世界で最も影響力のあるハイテクイベントであり、画期的な技術や世界のイノベーターの紹介の場となっています。今年のテーマは「持続可能性」で、noco-nocoは家庭のエネルギー管理を効率化するためのスマートコネクターを展示しました。

リビングルームを再現したnoco-nocoのブースには1 ,000名近くの来場者が訪れ、noco-nocoが考えるWeb6.0の世界を体感していただきました。Web6.0では、デバイスがデータを保持し、人のアクションをきっかけに他のデバイスと通信し、情報を交換・発展させていきます。この通信システムは、植物の通信網を模したRCT(Rhizome|Cell|Tsunagu<繋ぐ>|Tsumugu<紡ぐ>)と呼ばれるものです。Web6.0は、人間の脳内で自然に行われている情報のつながり方をデジタルで再現し、人間とデバイス(CPU、メモリ、通信機能を持つ機械)が共存する世界をつくり、未来を再設計する可能性を秘めています。

noco-nocoは、今回のCESへの出展を機に脱炭素社会への取り組みを強化し、来年2024年1月9日~12日にラスベガスで開催されるCESに再び参加する予定です。

 

noco-noco Pte. Ltd.について
noco-nocoは、環境問題の真の解決を目指し、知性と感性で「no CO2」の未来を切り拓きます。
最新情報は、noco-noco.com, LinkedIn (www.linkedin.com/company/noco-noco) をご覧ください。

2022年12月28日
「X-SEPA™」に関する記事が国内外で取り上げられました

12/22に発表しました「X-SEPA™」のリリースにつきまして、
国内外で多くの記事が取り上げられ、Asia Pacific, US, 欧州で合計921のメディアに掲載されました。

 

【主な記事】
MarketWatch(US)
https://www.marketwatch.com/press-release/noco-noco-announces-x-sepatm-a-revolutionary-separator-technology-2022-12-22?mod=search_headline

朝日新聞デジタル(日本)
https://www.asahi.com/and/pressrelease/423446107/

Sustainability Magazine (イギリス)
https://sustainabilitymag.com/pr_newswire?rkey=20221222EN72585&filter=22558

kjxf.HC360.com(中国)
http://www.kjxf.hc360.com/template/meitongshe.html?rkey=20221222ZH72585&filter=23154

2022年12月22日
noco-noco、革新的セパレータ技術「X-SEPA™」を発表
従来のセパレータの概念を超越しバッテリに付加価値を提供するX-SEPA™誕生
2023年1月末よりサンプル出荷開始

シンガポール、2022年12月 – noco-noco Pte. Ltd. (本社:シンガポール、 CEO:松村正大、以下noco-noco)は、既存電池の性能向上と次世代電池の開発スピード向上に貢献する画期的なセパレータ「X-SEPATM」をローンチしました。X-SEPATMは、三次元規則配列された空孔を特徴とし、多層構造により強度、高空孔率、バッテリ性能向上の最適な組み合わせを実現します。量産上の課題も克服し、 2023年1月末からX-SEPATMのサンプル出荷を開始します。

新たな市場の創造

X-SEPATMとは、既存のセパレータの概念を超越した、バッテリに新たな付加価値を提供するテクノロジープラットフォームです。noco-nocoの親会社スリーダムアライアンスは真の環境課題解決のために立ち上がり、8年間のセパレータ研究開発を経て、X-SEPATMを誕生させました。セパレータは電池の中で最も重要な役割を担います。負極と正極を隔てるセパレータは、電解液を保持して正極と負極との間のイオン伝導性を確保する部材です。スリーダムアライアンスの単層セパレータはより高い空孔率や、デンドライト(針状結晶と呼ばれる不純物)の発生を抑制する均一な迷路空孔構造を持ちますが、空孔率の向上は強度の低下にもつながります。そこで、強度、デンドライト抑制、高空孔率を追求した多層構造のX-SEPATMを開発し、空孔率の高い外層部による性能の発揮と、空孔率の低い中間層による強度の確保を最適なバランスで両立させることに成功しました。この成果は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDOの助成事業の結果得られたものです。 

スリーダムアライアンスが特許出願中の三次元規則配列多孔構造を持つ独自の多層セパレータは、バッテリの長寿命化、信頼性向上(事故率低減等)、そしてより高い放電レートを実現します。さらにX-SEPATMを搭載したバッテリは耐熱特性にも優れ、エアモビリティの離発着を可能とする高出力用途にも活用が期待されます。従来のバッテリは高温に耐えられないものが多く、高温多湿の熱帯地方では劣化が早いのに対し、X-SEPATMは、独自の構造と素材により、耐熱性を持つ部材との相性がよく、大きな成長や大規模な電動化が見込まれる高温地域に最適です。

高精度のモデリングで次世代バッテリの研究開発を短縮、バッテリ開発製造のDXへ

EVの需要増加に伴い、バッテリの抜本的な性能改善が求められており、バッテリの事故はEVの世界的な普及の妨げとなっています。リコールは自動車メーカーの負担となり、バッテリを載せたEVの廃棄は極めて深刻な土壌汚染につながります。X-SEPATMは、独自の構造により、短絡の主原因を防ぎ、材料が耐熱性にも優れているため、バッテリの事故や破損を低減します。さらにセパレータ材料の高空孔率に伴うバッテリの高負荷性能や、基材であるポリイミドの耐高温性能による各種異常時の信頼性においても素晴らしい能力を発揮します。

X-SEPATMは、今後バッテリ開発を新しいステージに導きます。正極と負極を隔てる従来のセパレータの役割を超えて、バッテリの性能そのものを変え、高性能バッテリの開発が可能となります。従来のセパレータが不均一な空孔形状であるのに対して、X-SEPATMは均一な六方細密構造の空孔形状です。この均一な形状が、高精度のモデリングによるシミュレーションにおいて各種パラメータの最適化を可能とし、柔軟なセパレータの構造設計につながります。そのため、X-SEPATMはどのようなバッテリにも適応可能です。また、この“計算可能“という特徴は、開発の現場や市場からフィードバックされた情報を次の開発に活かせるという意味でも重要であり、開発プロセスのスピードアップやブレイクスルーにつながる可能性が飛躍的に増大します。将来、X-SEPATMはアナログなバッテリ開発製造の現場をDX時代に相応しい現場に劇的に変化させます。

目標は、5年以内に世界中の全てのバッテリにX-SEPATMを導入すること

X-SEPATMはバッテリのサイクル寿命を2倍以上に延ばすため、EVで一次利用した後、蓄電システムで二次利用するなど、ライフサイクルの中で複数用途への利用が可能です。長寿命であることは環境に優しいだけでなく、1充放電サイクルあたりのコストの削減にもつながります。X-SEPATMによるバッテリの長寿命化は、バッテリ1個あたりの環境負担を最小化し、循環型利用という新たな可能性を切り開くものです。

脱炭素ソリューションプロバイダーであるnoco-nocoは、長寿命バッテリの社会インフラ化を目指しています。環境保全のためには、バッテリの一次利用・二次利用、リサイクルは必須です。世界中で電動化が進み環境改善が進んでいるように見えても、バッテリの製造は、地球資源を圧迫するだけでなく大量のCO2を発生させてしまう上に、廃棄された場合の環境汚染の影響も甚大です。

よって、noco-nocoはEVの需要増加に乗じて長寿命ではないバッテリを大量に製造し、売り切りするモデルに強く反対しています。エネルギー利用の効率化に最優先に取り組み、最小量の長寿命バッテリを最大稼働させ、CO2を削減し、環境汚染を阻止することが私たちの使命です。そして、私たちはバッテリ起因の事故を低減し、バッテリを誰もが安価で安心して使用できる社会インフラの構築を目指します。

気温が1.5度上昇し地球が危機的状況に陥るまで全く猶予がない中、noco-noco は、環境保全のために5年以内に世界中のすべてのバッテリにX-SEPATMを導入しなければ手遅れになるという危機感を持っています。そのため、X-SEPATMの技術をあらゆるバッテリメーカーに広く提供し、noco-noco がバッテリを買い取り、自社が推進するカーボンニュートラルリースサービスにおいて、リース対象(EVやESSなど) にX-SEPATMを搭載したバッテリを適用します。通常の2倍以上の寿命を持つバッテリを一次利用・二次利用することで、バッテリ必要量を1/4以下に抑えます。X-SEPATMだからこそ実現可能となるのです。noco-noocは、私たちと同様に長寿命性に高い価値をおくパートナーを募り、持続可能な成長を促す仕組みづくりを進めます。

 

noco-noco Pte. Ltd.について

noco-nocoは、環境問題の真の解決を目指し、知性と感性で「no CO2」の未来を切り拓きます。

最新情報は、noco-noco.com, LinkedIn (www.linkedin.com/company/noco-noco) をご覧ください

2022年12月12日
「noco-noco」社名変更に関する記事が国内外で取り上げられました

12/7に発表しました「noco-noco」への新社名変更リリースにつきまして、国内外で多くの記事が取り上げられました。
12/7-9の3日間、Asia Pacific, India, US, UKなど合計771のメディアに掲載され、そのうち約半分はUSでの記事掲載でした。

 

【代表記事】
掲載:MarketWatch(US)
https://www.marketwatch.com/press-release/decarbonization-solution-provider-3dom-singapore-unveils-new-name-noco-noco-2022-12-07?mod=search_headline

掲載:読売新聞オンライン(日本)
https://yab.yomiuri.co.jp/adv/culture/release/detail/0000271932.html

掲載:The News SINGAPORE(シンガポール)
https://thenews.sg/pr-newswire/?rkey=20221207AE58367&filter=25075